これから妊活を始める方、一人で悩んでいる方の力になれたらと、妊活の先輩たちの声を集めました。下記のボタンからカテゴリーごとの声をまとめて見ることができますので、ご活用ください。
協力機関:NPO法人Fine
- 仕事との両立
女性・40代
職場の理解を得ながら上司とともに働き方を考え、両立を可能に
不妊治療については、開始した段階から上司や同僚に伝えていました。
体外受精を検討の際、病院から突発的で頻繁な通院が必要と説明があり、上司に相談したところ、「業務のことは何とかするから、やってみたらいいよ」と背中を押してくれました。
私が以前から子どもを望んでいることを伝えていたこともありますが、本当にうれしかったですし、心強かったです。
自分でも仕事を前倒しで進めるなど工夫をしましたが、上司と私が不在になった時のフォロー体制など、なるべく業務に支障が出ない働き方を一緒に検討しました。
自分にしかできない業務がある時は治療を諦める周期もありましたが、フレックスタイム制や在宅勤務などの利用により、採卵や胚移植以外の治療は、休まず通院が可能でした。
また、仕事と治療の両立においては、周囲とのコミュニケーションを大事にしました。
同僚も治療に理解があり、こちらから話さないかぎりは深くは聞かずにいてくれました。
結局子どもを授かることはできませんでしたが、仕事のために体外受精をあきらめて後悔することにならなかったことを、本当にありがたく思っています。 - 仕事との両立
男性・40代
妻と一緒に仕事と治療の両立できるクリニック選び
人工授精や体外受精、顕微授精の時には、妻と一緒に朝一番に病院に行き採精し、クリニックから直接出社しました。
フレックス勤務の制度がなかったので、少し遅れるという事前の連絡を入れたり、就業開始時間が少し遅めだったのでギリギリ間に合うことも多かったです。
業務も多忙だったので、極力休暇を取らない方向で調整しました。
例えば、仕事が休みの土日に検査や採卵をしてくださるクリニックはありがたい存在でした。
精液検査などは仕事が終わってから夜に実施してもらいました。
男性不妊専門の泌尿器科にも通いましたが、土曜日受診可能なクリニックを妻が探してくれたので休暇取得の必要はありませんでした。
会社には不妊治療をしていることを公言しておらず、その点でも土日や夜間に診療してくれるクリニックがあり、助かりました。また、クリニックから会社までの移動時間も考慮しながら二人でクリニック選びをし、6年目に妻が妊娠、出産に至りました。
休みが取れなかったり仕事が多忙だったりしても通いやすいクリニックを話し合いながら一緒に選んでいくプロセスがとても大切だと感じました。 - その他の選択
女性・40代
妊活を経て~ 気持ちのままに
結婚後すぐに子どもを望んだ私と、まだ先で良いと考える夫。
温度差がある中で私たち夫婦の妊活はスタートしました。タイミング法から顕微授精まで、2度の流産、不育症と向き合いながら治療を続けましたが、出産には至らず、私の心と体は限界を迎えていました。その頃には強く子どもを望むようになっていた夫とは、妊活のやめ時について折り合いをつけるのが本当に難しく、平行線のまま苦しい時期を経て「でも、もう無理だ…」となかば押し切る形で約10年間の治療を終了しました。その後、同じ境遇で悩む人をサポートする側に回ろうと、不妊ピア・カウンセラーとして活動を始めました。
子どもは授かりませんでしたが、妊活を経てたどり着いたカウンセラーの活動が、今の私にとってはかけがえのないものとなっています。
治療をやめる決断が正解だったのか、これからも心が揺れ動いたり、後悔したりもするかもしれません。ですが、今では私の活動を理解し見守ってくれている夫と、今後の人生を寄り添いながら歩み、少しずつ私たちなりの答えを見つけていければと思っています。 - その他の選択
女性・40代
不妊の自分をそのまま受け入れる
結婚して子育てをスタートすることが当然と思っていました。
不妊を自覚してから、「普通」に訪れるはずの未来が、もしかすると自分にはないかもしれないという不安で押しつぶされそうでした。
ある時、親と暮らせない子どもがたくさんいて、その子どもたちの置かれている困難な状況や孤独を知りました。自分がその子たちの親になって支えたいと思う気持ちはあっても、次の治療で自分の子どもを妊娠するかもしれない・・・。そんな期待を打ち消して養子縁組に進む決断は難しかったです。
でも、なかなか妊娠できず、何度も心が折れていたのも事実でした。
妊娠をあきらめて養子を迎えるのではなく、不妊の自分をそのまま受け入れることがとても大事なことだったと、養子を迎えた今、振り返っています。
通りすがりの人から見ると、どこにでもいる平凡な家族です。日々の生活で血縁の有無による悩みを感じたことはありません。
小さな命を私たちに託してくれて感謝の気持ちでいっぱいです。
これから先、養子特有の課題に、悩む日もあるかもしれませんが、子どもと一緒に考えることができることも幸せだと思っています。